新幹線 鹿児島のヒミツは?!
関西国際空港で出国するときに2650円の「旅客サービス施設使用料」を徴収されるのは、まったく納得がいかない。
成田空港の2040円でも高いのに、その3割増しなのだ。
利用者は、誰もが「いったい何の施設を利用した料金なのか」「高い」などとぶつぶつ言いながら支払っているが、まとまった「声」にならないので、いっこうに是正されない。
この「旅客サービス施設使用料」とは、関西空港株式会社が収入を増やすために編み出した〃方便″である。
敷地面積510ヘクタール、滑走路1本で1兆4600億円という世界に例を見ない巨額の建設費を回収するために「取れるところから取る」という方針の現れなのだ。
1期だけで1兆4600億円という工事費は、切年に開港したドイツのミュンヘン新空港(敷地1500ヘクタール、滑走路2本)の7000億円と比較しても破格である。
関西空港も、別年の時点での試算は8200億円であった。
それが、コスト管理が甘かったり、予想外の地盤沈下が起きたりしてここまで膨れあがってしまったのである。
そこで空港会社は、各種の料金建てを「成田空港の3割増し」と設定した。
成田空港を見習って、「旅客サービス施設使用料」を設定し、3割増しの2650円とした。
ところが着陸料とターミナルビルの家賃については、世界の航空会社の団体であるIATA(国際航空輸送協会)から猛反発を食らった。
「世界一高い成田よりも3割も上回るなどとは了解できない」「航空会社のコストへの影響が大きすぎて承知できない」など。
ことは運輸省をも巻きこんでの国際問題となった。
そして結局、暫定措置として「成田並みの着陸料」で決着した。
その後、事態を重視した国が空港の施設の一部を買いとり、成田より4.5%安い着陸料となった。
しかし、積極的な反対者が現れなかった「旅客サービス施設使用料」は、原案通り「成田空港の3割増し」で決まってしまった。
以降、値下げされるどころか、朋年春の消費税の値上げによって2650円になったのである。
このように、日本の航空界では、当局と航空会社の間だけで政策が決められ、利用者の意見は反映されない。
護送船団方式をとらなければ世界の航空会社に伍していけなかったころには、このような「企業優先」がやむをえなかった面もあるだろう。
円高の為替差益を乗客に十分還元しなかったり、方向別格差で割高な運賃を払わされたり、輸入航空券の使用をとめられたり、国内線の高い運賃が国際線の赤字を埋めるために据え置かれたり、果ては巨額の利益を利用者に還元せずに経営の多角化に注ぎこんでも、利用者はじっと我慢してきた。
しかし今や日本の航空業は十分に成長し、世界の航空会社のなかで、A8位、Jn位、日本エアシステム岨位(W年度の旅客輸送数の実績)である。
これからは、旅客、すなわち利用者の利益が優先されるべきだ。
世界の潮流になっている航空自由化は、「エアライン本位」から「利用者本位」への構造の変革なのである。
アメリカに遅れること加年、日本でもようやく航空自由化が始まろうとしている。
航空自由化とは、「参入規制の撤廃」「輸送量の調整規制の撤廃」「運賃の規制の撤廃」だが、日本でも国内線では切年までにこれらの規制が撤廃される予定だ。
次いで、日本発着の国際線の自由化が世界から求められている。
いよいよ乗客が自分の意見を正々堂々と言える状況になろうとしているのである。
航空自由化には、同時に利用者の「自己責任」が伴う。
自ら集めた情報によって航空会社の良し悪しを判断し、利用するためには、確かな情報が十分になければならない。
しかし、この点でも日本は遅れている。
エアラインは都合のよい情報、おいしい情報しか流さず、運輸省は情報を抱えこみ、公開しない。
利用者には、どこの航空会社が安全なのか、どの路線にはどれだけのコストがかかっているのかも分からない。
アメリカの場合には、路線ごとの運航コスト、航空会社ごとの整備コスト、機内食のコスト、定時出発率、機体の経過年数、小トラブルの件数、パイロットの逸脱行為の件数、ニアミスの件数、利用者からのクレームの内容と件数、などを誰でも知ることができるのだ。
日本の場合には、このようなデータが得られないために、「あそこのエアラインは最近onだそうだ」との不確実な噂や、加年も昔の情報をもとに議論していることが多い。
「機内食がうまいかまずいか」のレベルであれば、それも愛橋ですむかもしれないが、自分の生命に関わるのであれば、ことは重大である。
「機内サービスのよいエアライン」が定時出発率、安全性、事故補償についても「よい」とはいえないのである。
選択した航空会社の事故補償額が少ないことを知っていれば、自分で保険に入って対応することもできるが、事故が起きたあとではどうしようもない。
この前篇では「航空運賃」「エアラインのサービス」に関する問題を指摘して改善案を提起するとともに、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニアの日本乗り入れエアラインのガイドを、後篇では「空港」「空港整備」「機体」「航空政策」に関する問題を扱うとともに、アジア、日本のエアラインのガイドを収載した。
本書が何がしかでも読者のお役に立てば幸いである。
輸送業の運賃体系は、距離に対応しているはずだが、国際航空運賃はそうではないらしい。
今や、ハワイよりもアメリカ西海岸のロサンゼルスに行くほうが安く、期間によっては、東海岸のニューョークに行くほうが安くなることもある。
格安航空券の世界では、ハワイとロスの関係は完全に逆転している。
東京との距離はホノルルが6165キロメートル(運賃算定距離3832マイル)に対してロサンゼルスは8771キロ(同5463マイル)と蛇%(同鳴%)も短いにもかかわらず、運賃のほうは、例えばJTBの子会社エイ・ビー・アイの格安航空券では、兇年6月出発で、東京発ハワイ往復の最低価格は5万6000円なのに対して、ロサンゼルス往復は4万7000円である。
エイチ・アイ・エスでも最低価格は、ホノルル5万4000円に対して、ロスは4万4000円だ。
東京〜ロサンゼルス間は、十数社が乗り入れて競合が激しいだけに、格安運賃相場は底値に張りつき、往復で5万円を切ることも珍しくはないが、日本lハワイ直行便は就航する定期航空会社が6社に限られていることもあって高値安定となっている。
需要の動向を敏感に反映する格安航空券市場でのこうした逆転は当然といえよう。
ところが、航空会社が店頭で販売する〃正規″の運賃である「エコノミークラス個人往復特別運賃」までもが、これを追認しはじめているのだ。
W年度の〈J悟空〉東京発運賃表によれば、ホノルル路線は最低9万9000円、最高鍋万3000円に対して、ロサンゼルス往復は最低9万8000円、最高別万9000円となっており、ほぼ全期間でロスのほうが数千円から2万数千円安いの1八ワイはロスよりも遠いのかATAの運賃体系の地域割である(バンクーバーも同様)。
さらに期間によっては何とニューョークのほうが安いこともある。
いったいどうなっているのか。
もともとアメリカ路線はヨーロッパ路線に比べて運賃が安い。
エコノミークラス普通運賃(制限付き)で比較しても、東京からニューョーク往復が判万6000円で、運賃算定距離1マイル当たりの単価が刈・1円なのに対して、ロンドンは紛万4700円で、1マイル当たりの単価が胡・8円である。
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